切り火(厄除・清め・大願成就祈願)
切り火は厄払いや邪気を祓う日本古来の風習です。
利き手に石を持ち、一方の手に火打金を持ちます。
石の鋭い角で、カーブした鋼鉄の縁を削り取るように勢いよく前方に向かって打ち付けます。
いく筋かの火花が弾け飛びます。この火花を清めたい場所や人の右肩口に後ろから2、3回、カチカチと切り掛けるのが作法です。
※昔の火打箱に火花を飛ばすにも、同じ方法で火打箱に入れた火口(ほくち)に向かって下向きに打ち擦ります。
火のおこしかた
利き手に火打金を、反対の手に石を持ちます。
石の鋭い角を選び火口をひとつまみ乗せ、石の刃部から3ミリほど離して右図のように親指で軽く押さえます。
火打金でカチッと打つと、火花が幾筋か弾け飛んで火口に落ち着火します。その後、そっと息を吹きかけ火種を大きくします。
最初から上手くはいかないと思いますが、初めは火花をたくさん飛ばす練習をしてください。
火口に着火できましたら、息を吹きかけ、火種が赤熱して広がり、ここからタバコなどに火を点けることができます。
この火種を炎にするには、付け木を用意して、先端に付いている黄色い硫黄の部分を火種に当てて息を吹きかけ、そのままにしておきますと間もなく硫黄が溶けてだんだんくすぶりはじめ、青白い炎を発します。
炎が木に移ると赤い炎が燃え上がり、これでローソクを灯すことができます。
※火口は湿りやすいので良く乾燥させ、ほぐして使用しますと着火が容易になります。
『角とれて 打つ人もなし火打石』と江戸処世句があるように、角が丸くなってしまった石は火が出ません。
大きい石は打ち欠いて角を作れますが、小さくなってしまった石は新調をおすすめいたします。
石の角や細かい破片は非常に危険です。初心者はメガネやゴーグル、手袋などで目や手を保護してください。
また、火のお取り扱いには充分ご注意ください。
火打石の使用上の注意
石の角や細かい破片は非常に危険です。
絶対に顔の近くで切り火を行わないでください。